鈍感ちゃんと意地悪くんのその後の物語
俺は、イライラしていた。
俺の美空なのに……。

同級生は俺の存在をわかっていて、もうあんまり美空に近づいてこない。
先輩たちは、進路に忙しいのか、以前ほどしつこくする人も減った。

これで暫く平和だって、安心してたのに……!

「ねぇ瀬田、何か今日は賑やかだね?」

隣の美空が不思議そうに廊下側の窓を見つめている。
おいやめろ、そっち見るな。
あいつらを喜ばせるだけだ。
相変わらず自分目当てだとは気づいていない鈍感な彼女。
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