鈍感ちゃんと意地悪くんのその後の物語
「あっ!」

「ん? どうした美空」

立花さんが、小さく声を上げた。
瀬田君はすぐに男子たちとの会話を中断して、そちらを気にする。

「教科書忘れちゃったみたい、世界史の……」

昨日予習したときに、そのまま置いてきちゃったのかな……?
立花さんは困ったようにそう言った。

「なんだ、そんなこと。
大丈夫、俺と一緒に見ような?
隣なんだし、困ることない」

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