鈍感ちゃんと意地悪くんのその後の物語
色々降臨した結果(委員長)
「肌寒くなってきたね」

確かに。
2年生の12月。
来年の受験を控えた俺たちにとって、心身ともに寒い時期。
一年間頑張っていかなければならない、と寒い風に立ち向かう努力をする時期だ。

ま、視界に映る瀬田も立花も、受験じゃないらしいから心は関係ないんだろうけど。

立花が、両手を顔の前で合わせてはぁっと息を吹きかけた。
まあ、この時期よく見る普通の動作だよな。

「じゃあ、温めてあげよう」

瀬田はその手を自分の両手で包んで、笑った。
うん、これは我がクラスではよく見る光景だけど……。
普段はあんまり人前で堂々とやる動作ではないだろう。

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