鈍感ちゃんと意地悪くんのその後の物語
ジェノベーゼをフォークに巻きつけているとき、来客を知らせる鈴が鳴った。
まだ夕食には早い時間帯のお客のまばらな店内に、軽やかな鈴の音が響く。

「いらっしゃいませ……。
って、瀬田じゃないか」

「先輩、お疲れ様です」

え、瀬田君?!

フォークを落としそうになった。
慌ててお皿にフォークを置いて、入口を見つめる。

「休みだろお前、どうした?」

「彼女孝行しに来ました。
今日はレストランデートです」

あ……。
瀬田君の隣には、あの時の、魔女ちゃん……。
2人、付き合って、るんだ……。
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