鈍感ちゃんと意地悪くんのその後の物語
「え? 違うよ、よく来るけど、お店の雰囲気と味が気に入ってるの」

わたしはとっさに嘘をついた。
このおしゃべりな同僚には、本当のことは言えない。

実はその通りで、随分年下のまだ高校生のイケメンに夢中で通いつめてます、なんて。
彼にはプロポーズまでした最愛の彼女がいるんです、なんて。
その彼女がまた極上に可愛いんでなんて。

……言えない。

「ふぅん?
あ、そのイケメンさん、彼女溺愛って有名なんだよ~?
知ってた?」

「へ。へぇ? そうなんだ……?」

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