鈍感ちゃんと意地悪くんのその後の物語
美空は俺の部屋で、受け取った旅行券を眺める。
まだバイトまでは時間がある。
少し二人でのんびりしようと、連れてきた。
 
「凄いね、当たることってあるんだ」

不思議そうに旅行券をかざしたりひっくり返したり。
旅行券に夢中な彼女は、俺を見ない。

「ねぇ瀬田、一緒にいかない?」

見ないと思ったら、突然見られた。
てか、結構なことを言われた気がする。

「えぇぇ……」

「やなの?
温泉だよ?
楽しそうだよ?
美味しいご飯だよ?」

「そうじゃなくてね、お前……」

こいつ、分かってないな?
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