鈍感ちゃんと意地悪くんのその後の物語
「どうって……。
風呂上りの浴衣姿の美空が、それはもう……」

にやりと口角を上げる瀬田を、真っ赤な立花が殴った。
瀬田は、殴られた頭を抑えてるけど、全然痛くなさそうだ。

畜生、羨ましすぎるって……。
先生、だから、心の声が漏れてますって。
それが教師の、しかも担任の発言ですか。

全く……。
ガヤガヤと騒ぐクラスメイトを目の前に、もう話し合いは無理だな、と俺は諦めて、傍観に徹することにした。
隣の副委員長も、そうすることにしたらしい。
俺たちは、顔を見合わせて仕方ないな、と、笑いあった。
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