鈍感ちゃんと意地悪くんのその後の物語
「いただきます」

フォークを差して一口。
あ、ベリーパイなんだ。
素朴で、甘酸っぱくて、美味しい……。

素直な感想を告げると、美空のお母さんはうん、うん、と嬉しそうに聞いてくれた。
パイを食べて、紅茶を飲んで、おしゃべりをして。
楽しい時間がすぎる。
空も赤くなったところで、帰ることにした。

「美空、わたしそろそろ行くね?
あんまり遅くなると家族が心配するし」

「あ、うん、そうだね。
ありさの家のおばさんとおじさんに、よろしく言っといてね?」
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