鈍感ちゃんと意地悪くんのその後の物語
「あ、ありがとう!」

差し出されたマフィンを、隣のクラスメイトは震える手で受け取った。

「行くぞ、美空!」

「あ! じゃあね、お兄ちゃん、お友達さん!」

遠くで呼ぶ弟の声に、駆け出す妹分。
二人揃って、こちらに手を振る。

手を振り返してマフィンをかじる。

隣のクラスメイトは、じっとマフィンを見つめていた。

「マフィン、嫌いか?
俺がもらおうか? うまいぞ?」

「いや、好きなんだけど……。
あの、学校1の美少女、立花作だと思うと、もったいなくて……」

凄いな、美空ちゃん人気。
まさかここまでとは。
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