お気に入り同期と恋人ごっこ


すると目の前に
奥野さんと工藤さんが
仲良く話してた。


姿を見たあたしは
思わず立ち止まってしまった。


すると後ろを歩いてきていた恵夢は
あたしが突然止まったので
あたしの背中にドンッとぶつかり
「ちょっと!急に・・・
とまん・・・ないでよ」
と話ながら目の前の二人に
気がついたようだ。


いかにも今から一緒に帰ります!
と言う雰囲気の二人。


「あっ!上野さーんお疲れさまっ!
どう?Tシャツ 売れてる?」


あたしに聞くな!!!
工藤さん 総務なんだから
わかってるんじゃないの?
ははぁーん
売れてないのが分かっててわざと?


「知りません!
まぁ~買い取り覚悟してますから
では お先にお疲れさまでした
帰ろ恵夢」


なんて可愛くない態度のあたし。


恵夢はあたしの後ろで
えっ?なんて言いながら
「お疲れさまでした」
と挨拶をしていた。


「何なんあれ!
奥野さんはあんたじゃないの?」


「あたしは頼まれただけの恋人
向こうは・・・わかんない」


「ふーんそれでいいの?」


「良いも悪いもあたしたちの
間には恋だとか愛だとかないから!
少なくとも奥野さんだけはね」


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