お気に入り同期と恋人ごっこ


帰って来た奥野さんは上機嫌。


「いいことあった?」


「まぁ~ね!」


「ふーん・・・良かったね」


「うん!よかったよ」


気になる!
気になる!
気になる!


何があったか気になる!


「工藤さんがなんて?」


「内緒」


内緒と言われるとその続きはない。


「ああ・・・そーですか!」


「そうですよ」


「ムカツク!」


「うん?
ムカツクようなことをしてませんけど?」


「どーでもいいけど
あたし倉庫の在庫行って調べに行ってくる」


「いってらっしゃーい」


笑顔で手を振られると
怒ってるあたしがバカらしくなる。


廊下を音を立てるほど踏みしめて
エレベーターに向かってると
伊藤さんに会った。


「廊下が破壊されちゃいそう!
壊さないでねぇ」


「あっ!お疲れ様です
あっ!あのぉ~あたしの
Tシャツ・・・えーっとぉー
すこしは売れてますかね?」


「うん売れてるって報告受けてるよ」


「ほ・ほんとですかぁ~!!!
嬉しいですっ!やったぁ~!!!」


「喜ぶのは早いよ
半分でも売れたって報告受けてから
喜んだ方がいいよ」


「で・ですよねぇ~」


さっき浮かれてたのに
すぐにテンションが落ちる。


あ・・・嫌なこと思い出したしっ!


工藤さんとのこと内緒って・・・。


Tシャツは思うように売れないし
工藤さんに奥野さんを
取られそうだし
あ~あ嫌んなっちゃう!







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