お気に入り同期と恋人ごっこ


5時を過ぎたのに在庫と伝票の数が合わないから 帰ることが出来ない。


あと一点なのに・・・。


また始めから箱を開けての確認作業になった。


3つ目の箱を開けたとき
1袋に2つのピスケを入れてあるのを見つけた。


「もー!誰よ!2つも入れないでよ!
ってかあたしも始めに確認したときに
見つけなさいよ!もー!!!
もー!!!時間返せ!もー!!!」


誰も居ないから大きな声で叫んでいた。


「ここは牧場か?
牛でもいるのか?」


笑いながら奥野さんが倉庫に入ってきた。


「あ・・・奥野さん」


「遅いから 荷物の下敷きになったかと
思って来てみたら
上野が牛に変身してた
予想外の展開にびっくりしたわ!」


「はぁっ?」


ジロッと奥野さんを見た。


「怖い顔をすんなって!」


「来るならもっと早く来てよ」


「あほっ!自分の仕事を置いててまでは
来れないよ それで?もう終わり?」


「やっとね!」


「お疲れ様」


へっ?それだけ?
『飯でも行くか?』
なんて少しだけ期待したじゃん。









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