お気に入り同期と恋人ごっこ
「奥野さんまだ帰らないの?
それとも誰か待ち?
工藤さんは帰ったから
うーん誰?熊田さん?
佐藤さん?」
「なにそれ!
女なら誰でもいいみたいなこと
言わないでくれる?
オレは上野を待ってたんだけど?」
あたし???ほんとに???
「また今月末にはお世話になるしな
餌を撒いて餌付けしておかないとな」
あ・・・
バスケか=恋人ごっこか
餌付けね
あたし動物に例えるとなんだろ?
「もーー!仕方ないなぁ~」
と 言いながら顔がほころぶあたし。
工藤さんの誘いを断ってあたしと帰るなんて
少しだけ工藤さんに勝った気がしたのだ。
あたしたちが行ったのは最近出来た
定食屋さん。
「好きなもの食っていいぞ
おごるから」
「奢ると言われてもね~」
どんなに頑張って食べても
1000円超えないし!
「何?なんか不満?」
「いいえ 不満ではないです
奥野さんとこうして食べれるってことは
何よりもの贅沢です」
3分の1は冗談
3分の2は本気で言ってみた。
「だろ?オレも
上野と食べれるなんて超贅沢だし」
奥野さんはほぼ冗談だと言うのは
わかっているけど・・・
なんとなく嬉しい。