お気に入り同期と恋人ごっこ
「君もお疲れだったね」
「え・・・まぁ・・・
お世話になりました」
「奥野さんに言われて無理矢理に
来てたんだろ?」
「無理矢理ではないですよ
プレーするのを見るのは楽しかったから」
「謝らないといけないな」
常務があたしに謝る?
なんで?
「常務さんが謝るって変ですよね」
「いやいや 好きでもないのに
こんなところにさ」
うん?
「バスケは回数重ねるうちに
好きになりましたよ」
「いやいや バスケじゃなくて
奥野くんのことだよ」
えっ???
「どういうことですか?」
「実はね」
前回奥野さんが常務の家に招かれたとき
奥野さんがついに暴露したみたいで
あたしとは付き合ってなくて
自分が常務の話を断ったら仕事に支障が
出たらいけないから
彼女役を頼んだと全て話してる。
「悪かったね!貴重な休みの日を
退屈な試合に誘わせて」
「いえ・・・そんなことないです」
「あのとき奥野くんと娘が
意気投合してたからここだけの話
期待してるんだ」
「そうですか」
だからか。。。
奥野さんが最後の試合を
見に来る?来ない?と
いつもなら強制だったのに
来ても来なくてもいいと言う言い方を
したんだね。