お気に入り同期と恋人ごっこ


美也子さんも美也子さんでしょ!
奥野さんの前でよくも
村田さんとまるで恋人のような
態度取れるよね!


足を怪我してたのか
脛を擦ってみたり
髪型を気にしてるのか
直してあげたり・・・。


もー!!!
見たくないし
常務からも小言のようなことを聞きたくない。


試合が始まっても見る気にもならず
座っていた。


1試合目は勝ったようで
常務たちに降りてみようと
誘われたけれど降りる気にもならなかった。


奥野さんどうして話してしまったの?
最後の日まで恋人ごっこで
済ませばよかったのに!


ああ・・・そうか
美也子のことを気に入ったから
常務にホントのことを言ったのか?


あたしここにいる意味あるの?
最後の試合を目に焼き付けて
おきたかっただけなのに。


あたしが降りなかったから
奥野さんが上がってきた。


「見てくれてた?」


「あ・・・うん見てたよ」


「あれ?どうした?
調子悪い?」


「風邪でも引いたかな?」


「熱は?」


あたしのおでこを触って確認した。


「熱は無さそうだけど
どうする?帰る?」


帰る?➡帰って欲しいですか?
まさか帰る?と言われるとか
思ってなかった。


「そうだね せっかく最後の試合だけど
帰って寝るね」


「送ってやれなくてごめんな」


「いいよぉ~別に
あたしも朝だるいな~と思ったんだから
こうなることは予測できたはずだから」


「ゆっくり休めよ」


「うん・・・ごめんね」


あたしは体育館から
出るために荷物をまとめて下に降りた。


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