お気に入り同期と恋人ごっこ


一度もデスクに戻ることなく
今日の仕事は終わりを告げた。


「お疲れさま」


挨拶のあとふと奥野さんの方を見たが
まだ仕事をしていた。


「お先に」


一応声をかけたら


「お疲れさん」


と 顔を見ることもなくあたしに
言った。


こんな日は恵夢でも誘って酔っぱらいたい。


「恵夢~今日空いてない?」


「空いてるよ」


「飲みに行こう」


「いいけどあたしは飲めないよ
出来てるかもだから」


「まだ病院行ってないの?」


「行ってもまだわかんないよ
だからあんたが飲むのを見てあげる!
どうせ何かあったんでしょ
聞いてあげるよ」


あたし・・・
恵夢が居なくなったらどうしよう。


ストレス発散できなくなっちゃうよ。


今日はお店ではなく
恵夢の家にお邪魔することになった。


両手いっぱい買い物をして
恵夢のアパートへ行くとその荷物に驚いていた。


「やけ酒にやけ食いするつもり?」


「正解!!!」


買ってきたを取りだすと
恵夢のテーブルの上に
いっぱいになったのを見て
何だかおかしく笑えて止まらなくなった。


「あんた変よ!そんなにウケること?」


「うん 精神的におかしくなったかもしれないよ」


「怖いこと言うね~」





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