お気に入り同期と恋人ごっこ
元カレは鋭い
あの日から1週間後のこと
朝から伊藤さんに呼ばれあたしは
3階に行った。
買い取りかもな・・・
今 全く良いことないし
最悪続きにこれが締めか?
「お疲れさまです!
買い取り覚悟してます」
「おっ!いいねぇ~!その気合い」
「何枚残りました?」
「それが・・・」
言いにくそうな伊藤さん。
「そんなにたくさんですかぁ?
もー!最悪ですね!
あたしここのところ
付いてなくて・・・
あたしのデザインをTシャツに
したばかりに赤字ですね」
「と思うだろ?
それがさぁ~売れ行きよくて
追加発注になったんだよ
おめでとう」
「えっ???ホントですかぁ?
夢じゃないですよね?」
「夢なんかじゃないよ!
2つの学校のバレー部が
練習着にするからって
2校で40枚注文があったんだよ
ただ表側に学校名を
印刷しないといけないけどな」
「良かった・・・良かったです!」
「この調子でまた
何かあったらデザイン頼むよ」
不幸のどん底だ出たのに
少しの光が見えた瞬間だった。