お気に入り同期と恋人ごっこ


お昼に工藤さんに会った。


「あ・・・ごめんなさい」


あの日から会ってなくて
預かった封筒を忘れてたことを
1週間ぶりに謝った。


「もう済んだことだけど
あの時上野さんって使えないなぁ~
と思っちゃった」


本当のことだけど
改まって言われるとキツイ・・・。


「ごめんなさい」


「奥野さんに感謝してよね!」


「わかってる」


「あ・・・あたしがそれ言う必要もないか」


「うん?」


「まぁ~あたしにも感謝してほしいわ!」


「・・・」
(何故に?工藤さんに?)


「Tシャツ完売だってね
追加発注らしいじゃない」


「あ・・・お陰さまで」


総務だからやっぱり情報早いな。


「デザインの印税が入ったら
奢ってね」


(だから!何故に?工藤さんに?)


茶色の封筒が何か関係あるのかな?
今更聞けないし。


「印税?貰えるのかな?
期待してないから・・・」


「奥野さんと二人でお祝いしないでよ
あたしも仲間に入れてね」


「あ・・・その時は・・・」


「その時だって フフフ」


変な謎の微笑みを見せて
じゃあ 期待して待ってるねぇ~と
その場から工藤さんは去っていった。



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