お気に入り同期と恋人ごっこ
【それでね!売り言葉に買い言葉で
あたし誠と付き合うことになった!
って言ってしまったんだ】
【はぁ?オレを利用したのか?】
【ごめん・・・】
【勝手にオレの名前使わないでくれるかな?】
【ごめん・・・】
【それで何をして欲しいわけ?
奥野くんの前でイチャイチャして欲しいわけ?】
違う・・・。
あたしが誠の優しさに甘えて
自分勝手なことをしようとした
最低だ。
【ううん ごめん
自分勝手だよね 本当にごめん
奥野さんにちゃんと
本当のことを話すから
誠と付き合ってないって
だからごめん】
【いいわ もう謝んな!
今回だけだぞ!
奥野くんと別れたのはオレが朱音んちに
居たことも関係あるんだろうから
差し引きゼロってことで
名前だけ貸してやるわ】
【・・・ごめん】
誠を怒らせちゃった。
【何もしなくていいから
もし奥野さんがあたしのことを聞いたら
付き合ってるって言ってくれるだけで
いいから・・・ごめんね】
【ちょっと聞くけど朱音は
奥野くんのとこまだ好きなん?】
どう答えるべきか少し考えた
本心・好きだよって言うべきか
【嫌いと言えば嘘になるし
好きと言えば嘘になるかな】
【なんだそれ!
向こうの気持ちはどーなんだ?
何があったかわからないけど
そんなに簡単に切り替えられるものなのか?】
あたしたちの間には 誠には言えないけど
【愛】とかなく【ごっこ】だったから。
うん?言ってもいいんじゃない?
頼まれただけって。
いや・・・やめておこう。