お気に入り同期と恋人ごっこ
どんな尋問にかかったって
絶対これはこれだけは
引っ掛からないようにしないと。
「好きな人って?会社の人?」
「まぁ~誠の知らない人だよ
もー!!!いいから
何食べに行く?」
話を変えようとあたしは必死なのに
誠は『フフフ』と笑っている。
「何がおかしいの?」
「オレも恋愛しようかな?」
「そーだよ!毎日ドキドキして楽しいよぉ
いっぱいいっぱい恋しなきゃ・・・なんてね」
「お前な~さっきオレが
朱音に何て言ったかわかってる?」
「うん?あたしに?
なんて?」
「はぁ~あ・・・
人の話を聞いてないんだな
オレはお前が好きだと言ったんだけど?」
「あ~あれね!本気にしてないから」
「全くぅ~お前ってやつは!
だけどオレに彼女ができたら
もう奥野くんのことで悩んでも
話も聞いてやったり
慰めたりしてやれないよ」
「ちょっと!なんで
奥野さん限定になるかな?」
「さぁ?どーしてかな?
オレのこの口が勝手に
奥野くんの名前を言い出すんだよな」
誠には隠せないな・・・。
「そんなことより
さぁ!飯でも行きますか!
おやっさんのところに行くかな?」
車を駐車場に停めて
向かったのはお寿司屋さん。
お任せセットを頼んで
結局奢って貰ったのだった。