お気に入り同期と恋人ごっこ
「なぁ~朱音!」
いきなり呼び捨てされて
ドキドキする。
「あ・・・はいっ!」
返事をするのにも緊張。
「アホ!そんな緊張してどーすんだよ
すぐにバレるじゃないか!」
「だから!!
ホヤホヤのウブな彼女設定で・・・」
「そんなこと言ってないで
いいから降りろ!」
はいはい
降りますよ!
スポーツセンターの1階にあるラウンジで
会社の人を待ってるとゾロゾロと
人が揃ってきた。
「あっ・・・常務だ」
早速ですか・・・。
「おー!奥野くん!
参加してくれてありがとな
助かったよ!今回うちのチーム
都合が合わず人数ギリギリなのに
試合に出ようとして
意味わからないよな」
「役にたてるかどうか
それは不安ですが」
「そちらは?」
き・来た!!!
「あ!今 自分が付き合ってる彼女です」
「上野朱音です
よろしくお願いします」
「可愛らしい彼女じゃないか
そっかそっか
うちの娘の彼氏にと
思ったのにな~」
「すみません」
謝る奥野さん。
「まぁ~もしダメになったら
うちの娘を・・・」
「常務!朝から縁起でもないことを
言わないで下さいよ~
自分等は固い絆で結ばれてますから」
そして奥野さんと目が合って
笑いそうになるのを我慢するのも大変。
ーーー固い絆ねーーー