お気に入り同期と恋人ごっこ
あたし上野朱音(うえのあかね)
スポーツ用品卸業社に勤めて2年目
早いものでもう22歳になる。
そして今言い合った奥野蒼介(おくのそうすけ)
同期だけど 向こうは大学卒なので
2つ上の24歳。
同じ部署で2年も経つと気心が知れてると言うか
何でも話せると言うか。。。
『同期なんだし 敬語使われると
親しみ感がないから無しね』と
始めに言われて以来友達感覚。
決して口には出さないけれど
あたしの好きな人。。。
「行くぞ!」
「うん?どこへ?」
「だ・か・ら!!!
まずは 倉庫へ行って在庫確認!だろ?」
「あ~あ」
「あ~あって・・・」
「手伝ってくれるの?」
「手伝うとか手伝わないとか
そんな問題じゃなくて
聞いてなかった?部長は
2人って 言ったんだけど?」
「あ・・・そうなの!
よかったぁ~心強いわぁ
じゃあ 行こう!」
「はぁ~
やってらんねぇー!」
呆れて大きなため息をつきつき
奥野さんは倉庫へ向かっていった。
エレベーターに乗り地下1階のボタンを押し
閉じるのボタンを押した。
「あー!!!待ってくださーい」
総務課のマドンナ工藤さんが
走って乗り込んできたと思ったら
躓いて倒れる寸前。
それを素早くキャッチしたのは奥野さん。
「そんな慌てなくても いいのに」
「あ・・・奥野さん
恥ずかしいところ見せちゃったっ!」
「大丈夫?」
「大丈夫です!
ありがとうございます」
工藤さんは1階で
丁寧にお礼を言って先に降りた。