お気に入り同期と恋人ごっこ
初めては誠の部屋だった。
何度『待って!待って!』
と 言ったか・・・。
「もう充分待ったけど?
もうこれ以上は何を言われても
待たないから」
優しさに包まれた初めての夜だった。
それからはラブラブなところもあったけれど
よく喧嘩もした。
誠の部屋にスカーフが置いてあって
問いただすとサークルの仲間が
誠の部屋に集まったときに忘れたんだと言った。
「誤魔化さないでいいから!」
「お前は信用しないんだな!」
「信用できる?もしも
もしもよ あたしの部屋に
男物の何かが落ちてたらどう思う?」
「関係ないと言ったら信じるよ」
「あっそう・・・
それはそう言う状況に陥ってないから
言えるだけよね!」
あたしがグズグズと言うものだから
誠は鞄から鍵を出した。
「なによ!」
「鍵を預けるからどうぞ!
好きなときに来てみれば?」
「それってなんか嫌だ!」
「じゃあ!どうしたら信じるわけ?
めんどくせー!好きにすれば!」
なんて喧嘩もした。
結局はサークルの仲間の話は本当だった。