お気に入り同期と恋人ごっこ
「彼女さん!
そこのボールの入ってる
カゴを引いてきてくれる?」
副キャプテンの隅本さんがあたしに言った。
「えっ」
「あっ・・・彼女さんを使っていいって
言ったからついつい」
もー!奥野さん!!!
奥野さんの方を見ると
娘さんとナイキのシューズについて語ってる。
「はいはい
いいですよぉ~!
今日はマネージャだと思ってください」
もうどーにでもなれ!
誠の事もどーでもいいわ!
開き直り・半分ヤケ。
「はい!どうぞ」
「サンキュー!ごめんね」
「大丈夫ですよ それからあたし
飲み物買いに行ってきますけど
何か必要なら買ってきますよ」
「飲み物はみんな充分持ってるから大丈夫」
「そーですか じゃあ」
あたしは逃げるようにその場を去った。
だって
嫌だもん・・・奥野さんと他の人が
仲良くしてるのを目の辺りに見るなんて
それに 誠の存在も息苦しい。
トイレを済ませ自販機のところまで
行ってお金を入れると
横からコーヒーのボタンを押された。
あたしが今買ってるんですけど!
こんな意地悪する人は奥野さんしかいない。
「こら!お・・・く・・・」
じゃなかった。。。