お気に入り同期と恋人ごっこ
3試合目は強敵
前回の優勝チーム。
奥野さんが何度も何度もシュートを打っても
ブロックされる。
誠も同じで決定率もグーンと下がっている。
ついあたしも力が入り 分からないなりに
大声で『行けー!』
『ナイスカット!』と叫んでしまう。
審判の笛が鳴ったと思ったとき
誠が倒れた。
相手が体当たりしたようだ。
「わざと当たってんじゃねーよ!
反則犯してまで勝ちてーのか!!!」
誠は怒っていたが足を怪我したみたいで
プレイは不可能
途中交代になってしまった。
試合の途中だというのに
監督さんがあたしたちのいる上のベンチを
見て手招きをした。
娘さんはというとそんなアクシデントが起きてるのに
続行中の試合に夢中で大声で応援している。
あたしが行くしかないね・・・と
しぶしぶ会場内へと入って行ったのだ。
「すまないけど救護のところで
シップと包帯を貰って来てくれるかな?」
「あ・・・はいわかりました」
誠が「いいよ後で!行かなくていいから」
というのを無視してもらってきた。