お気に入り同期と恋人ごっこ
「悪い!大丈夫か?」
あたしは誠の身体の下敷き
かろうじて頭を咄嗟に誠が
カバーしてくれたみたいで
強打せずに済んでいた。
そう・・・あたしは誠の腕の中。
「あ・・・うん」
奥野さんがすぐに誠の身体を
起こしあたしの手を引っぱり
立たせてくれ
「痛いところないか?
大丈夫か?」
と心配そうな様子を浮かべていた。
「なんとか生きてるから大丈夫」
「ばか!こんな時に
冗談言うな!」
おしりとか足とか痛いのに
痛いって言えないから
交わしているのに
怒らないでよ・・・。
少し 他のチームなどの注目を浴びたけれど
すぐに退散した。
「あの人もさぁ~!自分が怪我してるのに
荷物なんか持とうと思う方が間違いだよな!
お陰で朱音が痛い目に遭うってね」
「確かにね ハハハ」
「痛いくせに笑うな!」
・・・あたしが痛いってこと
わかってるんだ。
「泣くよりはいいでしょ!」
なんて可愛くない言い方のあたし。
「泣く方が可愛いわ!あほ!」
泣いてるよ!心では泣いてる
号泣よ!でも
迷惑かけるから・・・我慢してるのに。