お気に入り同期と恋人ごっこ
「今日は役目果たしてくれて
ありがとな」
「いえいえ
あたしでよかったらいつでも」
でもあたしが行く必要は
なかったのかもしれないね
常務の娘さん可愛かったから。
それに話し弾んでたし。
「常務の娘さんって
全然お笑い芸人じゃないじゃん
どの写真見たわけ?」
「え・・・あ・・・
あ~あ・・・」
思いっきり動揺してるしね。
「何それ!返事になってないよ」
「あ・・・確かに可愛かったな」
「今でも間に合うんじゃない?
やっぱり娘さんと!と言えば」
常務も『別れたら娘と』なんてとか言ってたし
「・・・それもそうだな・・・
考える」
考えるか・・・。
余計なこと言うんじゃなかったな
と反省。
「お前も今度レンタル彼氏が必要になったら
いつでもやってあげるから」
「その時はお願いしますねハハハ」
さっきはあたしのことを
今日一笑えるだとか言ってたけど
さっきの言葉
笑えない・・・今日一番笑えない
美味しいケーキも味がしない。
「この後さ 上に部屋を取ってるから」
「・・・・・・
え・えっ!!!!」
「クククッ」
「また笑う!」
「冗談だよ 朱音が今
何か考えてるだろ?
うまいもの食ってるのに
急に暗くなるなよな」
「あ・・・」
あたしが黙りこんだから冗談を言ったそうだ。
「も!!!奥野さん!!!」
「へ?もう恋人ごっこはお終いか?」
「上野は一度も名前呼ばなかったけどな
蒼ちゃんだとか何とか言ってたけど」
上野か・・・朱音じゃなく上野に戻っちゃった
蒼介・・・呼んでおけばよかったな。