お気に入り同期と恋人ごっこ
現実は寂しいもの
魔法の溶けたシンデレラことあたしは
明くる日は腰痛に悩まされた。
容赦なく部長には雑用を言いつけられ
午前中は座る間がないくらいだった。
「腰が曲がったばーさんみたいだぞ
うちのひいばーちゃんにそっくりだ」
と 横で笑う奥野さん。
元はと言うとぉ~
奥野さんがあたしに恋人ごっこを頼むから
こんなになったわけで・・・
と 一生懸命説明をする。
『はいはい わかりました!
慰謝料の代わりに飯でも奢るわ』
と言ってくれた奥野さんの言葉に
痛みが多少薄れたあたしも単純
頑張れる気がする。
「3階からスポーツタオルの入った段ボールを
運んできてそれを20づつ箱詰めして
明日納品出来るようにしてくれ!」
部長誰に言ってる?
嫌だな・・・腰痛いし。
げっ!目があってしまった。
「おお上野!頼むな」
「いや・・・あたしは・・・
こし・・・が痛い・・・わけ」
で・・・の言葉もむなしく
「頼むな」
2度も同じ事を言われ
断れなくなってしまった。
奥野さーん。。。
あっ・・・ダメか
奥野さんもこれからスポーツ店へ
行く用事があるんだった。