お気に入り同期と恋人ごっこ


ーーーこれが終われば
奥野さんとお食事


何度も何度も自分に言い聞かせた。


「得意のマイペースでやればいいんだから
あまり悪化させんなよ」
と 言い残し奥野さんは社外へ
出ていった。


得意のマイペースって
いつも 一言多いんだよな。


結局は本田さんが『3階に行ったついでに
タオルを持ってきたから』と
段ボールを運んできてくれたのだ。


「わっ!本田さーん
マジ 神!ありがとうございまーす」


ホントに神に見えちゃう
助かったぁ~!


後は20包分けて梱包して
伝票を貼れば終わり!


奥野さんが帰ってきたときには
終了していた。


「もう終わった?早いじゃん」


「うん!本田さんが
行ったついでにってぜーんぶ
運んできてくれたんだ」


「あ・・・それはラッキーだったね」


「そう!本田さんが神に見える
ううん紳士?王子さま?」


「上野 そこまで言うと嘘っぽいぞ」


「ああ・・・本田さん!
助かったのは事実です」



「まっ上野は今日辛そうだったからな
それってギックリ腰?」


「違いますよぉ~転んだんです」


「こ・こ・転んだ???」


本田さんは大爆笑。


「笑わないでくださいよ」


悪い悪いと言いながらも
あたしが転ぶ姿を想像すると
笑えるってまだ大笑いを続けてる。


転んだ➡正しくは
人があたしの上に降ってきたが
正解なんだけどね。


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