お気に入り同期と恋人ごっこ


お昼からは誠の姿が見えないので
少し安心。


「上野さ 今日用があるって言ったけど
キャンセル出来る?」


もともと用事はなかったけど
誠に誘われたから断る口実だった。


「なんで?」


「何でって・・・あっ!
この前のバスケのお礼何か考えた?」


「お礼って連れていってくれたじゃん!
ケーキバイキング」


「それでいいの?あれはオレからのお礼で
上野は上野で叶えてほしいことを
考えておくって言ってたから
考えたかな?と思って」


「十分だよ!美味しかったし」


「そう 上野がいいのならいいけど」


・・・と言うことは?
今日も奥野さんとどこかへ行けちゃう?


これってチャンス!!
チャンス到来。


「あっ!!!」


あたしは大声を出した。


「何?突然 耳元で大きな声だされると
鼓膜が破れる!」


「そこまでデカい声を
出してはいませんけど?
失礼ね!」


「冗談・・・で?何?」


「豚カツ食べたーい!」


「豚カツか~行く?」


「行っちゃいますか?
それも奥野さんのお財布で!」


「先に先約をキャンセルしろ!」


「そんなもんないしぃ~」


あたしの気分は上昇中
テンション高まるばかりだった。








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