お気に入り同期と恋人ごっこ


「木戸さん勘違いしてるかもな」


「あの様子だとかなりね
今晩説明しておくね
それで?いつまで手を?」


あたしとしては
ずっと繋いで歩きたいけど
まだ会社の近くだから
誰が見てるかわからないから
そう言うわけにもいかず。


「あっ!」


思い出したかのように
手を離した。


「木戸さんになんて説明するわけ?」


「恋人役を頼まれただけよって
事実だもん」


「・・・そうだよな・・・」


「そんなことよりぃ~どこのお店?
また大衆食堂とかじゃないよね?
それはやめてよ!」


「任せとけ」


と 車の着いたところは
見た感じは日本料理のお店ですか?
のようなお庭つきの店で
入り口からは足元には飛び石が
敷き詰められていて回りは木々に囲まれ
次の扉を開けると店内になっている。


「す・すごーい」


「気に入った?」


「うん!
奥野さんよく来るの?ここ」


「ネットで見つけたって言ったよね?
人の話を聞かないタイプ?」


「あ・・・そうだった」


頭を掻くあたし。


店員さんに案内されテーブルについた
差し出されたメニュー表を見たけれど
金額はそんなにまで高くないことに
安心。



あまり高すぎたら申し訳ないものね。



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