お気に入り同期と恋人ごっこ


ロースカツ定食を食べもちろん会計は
奥野さん持ち。



お店を出ると
「この後 どこか行く?」
と言うのを期待してるあたしだけど
その考え空しく「駅まで送るわ」
って。。。


「あっ いいよ方向違うよね?
ここでさよならしよう
バスもすぐ来ると思うし
ほらそこ!バス停じゃん」


言ってるあたしも悲しいものだ。


「遠慮すんな!
男としてここでバイバイってのもなぁ~」


世間体ですか。


「それなら家まで送ってよ!
恋人なら家まで送るでしょう」


ちょい言ってみた
半分本気も含めて。


「あっ・・・」


少し困った様子の奥野さん。


「冗談よ 言ってみただけ」


「上野んちってどこ?」


「冗談だってぇ~」


「マジでどこ?」


「もぉ~いいから」


「だからどこ?言えって!」


しつこいくらい『どこどこ』と
言い続けるから


「西の町・・・」


素直に答えた。


雰囲気的に 気まずいと思いながら車に乗ると
奥野さんは『マジで旨かったな』
なんて心配しなくても
全然普通に戻っていた。






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