お気に入り同期と恋人ごっこ


あたしは学生時代からそこに住んでいて
もう居住4年目になる。


「そこの通りを横切ったら
もうすぐあたしのアパートが見えるから」


「はいはい了解
結構便利のいい所に住んでんだな」


「そうでしょ だから
免許持っててもペパードライバーと言うね」


「免許持ってんの?」


「何?『お前取れたの?』
みたいな言い方だね」


「上野の運転する車に乗ってみてーな
スリル満点で下手なアトラクションより
盛り上がったりして」


大笑いする奥野さんに
『わかった!今度車貸してくれたら
経験させてあげるわ!』
と笑うあたし。


もうあたしのアパートの敷地内に
着いてしまった。


「あ!そこでいいよ
ありがとう」


「ここってどこへ止めてもいいの?」


「・・・?」


別にここでいいけど
あたしが降りるだけだから
と説明すると


「はぁ???恋人なのに
ここで『送ってくれてありがとう
じゃあね』はないよね?」


突然ワケわからないことを言い出した。


「恋人なら『まだ一緒にいたいな』とか
『上がってお茶でも
飲んでかえって』とか言うよな」


「ひぇー!!!!!」


予想してない事に頭の回転
ついていけない。



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