お気に入り同期と恋人ごっこ



まるで主のように
ソファーでくつろいでる奥野さんに
コーヒーを差し出した。


「わっ!!!奥野さん!」


突然あたしが大きな声を出すものだから
ゴキブリでも出たのかとそこにあった
紙切れをくるくるっと丸めて
『どこ?』と 叩く準備オッケイをして
構えた。


「ちょっとぉ~奥野さん
それ何?その格好!あはは」


大笑いをしていると


「ゴキブリじゃないの?」


「違う違う!
時計見た?もう10時になるよ」


「は・・・ぁ~そんなこと?
知ってるし」


「なんだ?知ってたのか」


奥野さんと居ると時間が経つのが早い。


「あれ?もう追い返そうとしてる?」


「違うよぉ~」


「そうだ!今晩ついでに泊めて」


「は・は・は・はぁ???
奥野さん自分が何言ってるか
わかってる?」


「わかってるよ!
帰るのめんどくさいから
明日ここから出勤するわ!」


「えっ・・・えっ・・・マジで?」


「恋人ごっこだからいいじゃん」


いやいや・・・それは
嬉しいけど でもそれはマズイでしょ。


「着替えとかどうすんの?」


「明日もこれ着て行けばいいじゃん
別に夏じゃないんだから」


「いや・・・そのぉ~それじゃなくて
し・下着とか・・・えっとぉ~その」


「お前は面白しれーな!
そんなにオドオドして言うような
事でもないし そんな年でもないだろ」


確かにまぁ そうですが・・・。


奥野さん 知らないでしょうが
あたしは貴方が好きなんですよ
その人が自分の部屋に泊まるなんて・・・。







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