お気に入り同期と恋人ごっこ


「あたしの絵がTシャツになってたぁ~
見て見て!」


写メを奥野さんに見せた。


「おっ!スゲー」


「でもね 売れなかったら
50枚買い取りなんだ
売らなきゃ」


「買い取り?冷たいねぇ~会社も」


「だよね!よし!
売れなかったらここのフロアーの人は
強制でこのTシャツ着て
仕事してもらおっと!」


「マジか~」


「しかも実費でね(笑)」


「そこは上野が
『すみませーんこれ売れなかったんで
ぜひ皆さんで着てください』だろ?」


「ひどい!!!もぉ~そうなったら
奥野さんだけ買ってもらうから
覚悟しといて」


「それって売れないことを
前提に考えてるな」


「最悪の場合よ!」


次第にあたしの口調が荒くなると
「最悪の場合になったら
協力してやるよ」
と 最後はいつもこんな風に
優しく包んでくれるんだ。


やっぱり・・・好きっ。。。


「奥野さん今日晩御飯食べに行かない?
めでたい日だから あたしが奢るよ」


「マジ???」


「何食べたい?」


「フォークとナイフを使うやつ!」


・・・洋食???


「了解!
フォークとナイフを使えるところね
あっ!ホットケーキ!!!
ヨッシャ!」


「アホか!
ホットケーキは飯の足しにもならんわ!
さぁ~ちょっと湊町の役場に行ってこよ」


町役場のスポーツ教室への商品説明に
出ていった。






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