お気に入り同期と恋人ごっこ


『いまどこ?』


すぐに電話が掛かった。


『いまどこ?って
今 会社を出たところですけど?
さっきサヨナラして
あたし陸上選手とか
競歩の選手じゃないですから
そう遠くまで行ってませんけど』


『そこで待ってろ!』


『待ってろ?
命令される覚えないですけど』


『何を怒ってるわけ?』


奥野さんにそう言われ ふと我に帰る。


確かに・・・
別に付き合ってる訳じゃないんだから
奥野さんが誰と居ようが
怒る必要もない。


ただ待たされたことには
怒ってもいいけど。


『一時間も待たせて
連絡なしだったから!』


『それは・・・謝るごめん』


『・・・許す
じゃあね』


『おい!待てって』


超 冷たく『じゃあね』と言って
あたしは電話を切った。


そうとは言え追ってくるかも
と 思いながら路地を抜けてあたしは帰った。


追ってくるかも・・・
なんて考えるあたしも
冷静になるとバカだと
思ってしまうのだ。


来るはずないじゃん。。。


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