ひとしずく
第1章
一滴
「はぁ・・・・・」
またか・・・・
これで何回目だろ
早乙女雫は、教室の窓から見える男女の影を見てため息をついた。
ため息の原因は、その男女の影の男の方が
雫の彼氏であろう人物だからである。
なぜ、「彼氏であろう」という言葉を使うのかって?
それはまた後で話すね
女の方は男に腕を絡めて、楽しそうに何かを話している。
なぜ毎回二人の姿が目に入ってしまうのだろう。
もしかして見せつけられてるのか・・・・?
考えてもしょうがない
「帰ろ・・・」
雫は一人、教室を後にした。