私が幸せになるまで。



バイクに乗るのも初めてだから、もちろんニケツなんてした事なくて。

しがみついた時に香ったリョウマくんの香水が、やけに心地よかった。



カラオケに着くと、リョウマくんじゃない人が、私の隣に座った。


「かわいい」

「かわいい」

「かわいい」


嫌じゃなかった。
チヤホヤ特別扱いされるのが、一番心地いい。



斜め前にいるリョウマくん。

チヤホヤされているリョウマくん。

女の子に囲まれているリョウマくん。




私はやっぱり、リョウマくんがいい。



カラオケも終わり、バイクで送ってもらった帰りに、リョウマくんから連絡先を聞かれた。

こっそり、メールアドレスを教えた。



私だけ、三人全員から連絡先を聞かれていた。



みんなに悪いから、こっそり、交換。



そりゃあ、私が一番かわいいに決まってるもん。

< 10 / 40 >

この作品をシェア

pagetop