私が幸せになるまで。
「ねぇ、私も同じ髪の毛にしたいんだけど。」
コギャルに話しかけると、コギャルは眉間にしわを寄せた。
「あんた、礼儀がなってないね。
歳上の人に対しては敬語を使うの。
こいつらは、男だからなにも言わないかもしれないけど、女はそういうのうっさいから。」
なにこいつ。
顔は私の方が可愛いのに、何でこんなに偉そうなの。
「あそ、じゃぁもう聞かないわ。」
コギャルはまた更に眉間のしわを深くした。
「クソガキだね。
ちょっとおいで!」
リョウマくん達が止めに入ったけど、私はコギャルから手を引かれ、ゲームセンターの外に出された。
「あんた、今いくらあんの。」
「え?」
「金!お金!」
そんなもの持っているわけもなく。
「ないよ。」
コギャルからさらに手を引かれ、電車に乗って美容室まで連れて行かれた。
「平山さん!
この子、めちゃめちゃギャルな髪色にしちゃって!」
担当の美容師さんにそう言うと、待合室で完成まで待っていてくれた。
コギャルはいい奴だった。
コギャルの名前は奈美恵。
みんなから奈美と呼ばれていた。