私が幸せになるまで。
私は、もう一度お礼を言った。
「いいって!
香那だっけ?連絡先教えてよ!
ウチのことは奈美って読んで!」
私は、奈美と連絡先を交換した。
溜まり場に戻ると、みんな驚いていたけど、褒めてくれた。
家に帰り、母と初めて髪を金色にした姿で会うと
「下品。」
小声で、軽蔑したような顔で言った。
優しくもない。
叱ってもくれない。
心配してもくれない。
あんなに母の喜ぶ顔が見たくて、頑張っていたのに。
一度、大きな失敗をしてしまったから。
私の代わりに、自慢できることが見つかったから。
そのことで、私への態度が大きく変わった母を、恨めしく思うと同時に、虚しさが私を襲った。
その日から私は、毎日のように溜まり場へと足を運んだ。
それと同時に学校にも行かなくなった。