私が幸せになるまで。
母の財布からお金を取りに久しぶりに家に帰ると、玄関に男の靴があった。
不思議に思って部屋を覗くと、知らない男の人がいた。
バレないように盗み聞きすると、どうやら母と付き合っているらしい。
私が小さい時に、母と父は離婚していた。
父方の祖母とは連絡を取っていたけど父とは離婚して以来会ったこともなかった。
恋愛は自由だし、たいして興味もなかった。
私は、お金を諦めて溜まり場に戻った。
「あ〜まじ金ないわ。」
と奈美にボヤいた。
「あんたも売りしたら?」
奈美は、援助交際をしていた。
私と出会う前から。
だからあの時、美容室代も余裕で払ってくれたのだ。