私が幸せになるまで。
そんな時、また母の財布からお金を盗んだ。
いつも通り玄関を出ようとした時…
「ちょっと待て!」
バレた。
母の彼氏に。
「なんだよ。」
「今盗んだろ。お金。」
お札と一緒に、右ポケットに突っ込んだままの手を外に出す。
「とったよ。
で、何?」
「いいや、ただビックリしたから。
申し遅れたね。
今、お母さんとお付き合いさせてもらってる吉田シンジです。
よろしくね。」
ニッコリ笑顔を向けられたけど、嘘くさすぎた。
その男を睨み付けてから外に出た。
何あの男。
気持ち悪すぎんだけど。
寒気がした。