遠くて近い君との距離。【続編】
重たそうな荷物を抱えながら困ったような表情で私を見つめている。
「どうされました?」
なかなか現れないその存在を一時探すのをやめ、お婆さんに向き合う。
「ここから一番近いバス停ってどこかわかるかい?」
「あっそれなら、駅を出てすぐ右に曲がるとバス停がありますよ。本数多いんで、多分すぐ乗れます」
「本当かい。いやいやありがとう」
「いえ。お気を付けて」
ぺこりと小さくお辞儀してお婆さんはゆっくりとバス停を目指して歩いて行く。
その後ろ姿を見送りながら、お目当ての存在も探す。
もう着いてもおかしくないはずなのに。
キョロキョロと辺りを見渡し、スマホを確認する。
着信も何も来てない。
首を傾げながらもう一度辺りを見渡す。