【完】恋のおまじないNo.1
「宇佐美さんが、恋のおまじないを得意としてるって聞いたことあるよ。紫藤くんって、そーいう人なの?幻滅…」



俺を取り囲んでいた女のうちのひとりが、となりの女に同意を求めている。



「最近、部活でケガして暇なんじゃない?女々しいよねぇ、男なら正々堂々と勝負して欲しい」



「うんうん」



「本当に違うの、紫藤くんじゃないよ!?」



「わかったよ。あー、時間なくなっちゃった。新しいネタしいれたし、教室に戻ろ~」



そう言い残して、女たちは階段をのぼっていった。



「どうしよう…誤解されちゃった」



「この世の終わりみたいな顔してるけど、紫藤のことだから適当にかわすだろ。気にすんな」



「そんな…責任感じるよ」



「大丈夫だって。この噂が広まったとしても、ライバルが減って桃ちゃんにはメリットだろ」



「桃ちゃんのライバルが…減るってこと?」



今度は急に目を輝かせている。



ライバルが減る、まぁそーいうことになるのかな。



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