【完】恋のおまじないNo.1
ゆめに近づき、頭の上に手を置きくしゃっとする。



「西内のこと、お前はなにも気にしなくていーから。やっぱ、好きじゃないのに付き合うとかダメだな。全然楽しくなかった」



「カズ…マ?」



「ちゃんともう一回、西内に謝ってくる。それで…先輩とか、西内とか、他の誰かも…新しい恋に踏み出せるといいな」



他の誰かって、俺も含まれてる。



自分の気持ちをごまかして、他の女と付き合ってもなんの意味もない。



ゆめのこと…大切に思ってても傷付けてばっかだし、守ってるつもりでも、守りきれてない。



どうしたらいいのか、これから少しずつ考えていこう。



俺にできることは、まずは西内にちゃんと謝ることだよな…。



昨日は自分なりに話したつもりでも、西内からすれば納得がいかなかったんだよな。



傷付けなくてもいい子を、傷付けてしまった。



それは、確かだから。



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