【完】恋のおまじないNo.1
「海野とは付き合えないから、デートはしない。ごめんな」



「そんなぁ!まだ好きって言ってないのに。告白する前に振られちゃう?」



あっけらかんとして言う海野を見て、羨ましいとさえ思う。



俺、断ってんのにな。



それでもこんなに前向きで羨ましい。



俺も少しは見習いたいぐらい。



「ちゃんと言えばよかったよな、ごめん」



「んー…桜庭くんって、西内さんともすぐに別れたよね?本当は誰か好きな子がいるんじゃないの?」



ぎくっ。



疑いの目を向けてくる海野から逃れるように、背中を向ける。



なんか、こいつ怖い…。



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