【完】恋のおまじないNo.1
「きゃ~!カズマ、見て見て!できたよ~」
さっきできあがったばかりのビラを、幼なじみの桜庭カズマの目の前でチラつかせる。
「んだよ。残ってやりたかったのって…こんなことか。くっだらね」
夕方は暗くなるのが早いからって、そう言い出したのはカズマの方。
誰もいなくなった放課後の教室で、あたしのことを待ってくれてたんだけど…。
優しいんだか、冷たいんだかよくわからない。
10年以上一緒にいても未だ理解不能で、掴みどころのない性格をしてる。