【完】恋のおまじないNo.1
「紫藤くんはなんて返事をしたの?」



桃ちゃんから聞いてはいるけど、もし紫藤くんの気持ちが動くなら。



そう願いつつ聞いてみた。



「ちゃんと断った。真剣に告白してくれたのがわかったから。いつも付き合うときは、成り行きだったり…適当っていうか。ノリに近い部分があるから」



「その子のこと、どう思った?紫藤くんがそういう気持ちなら今からでも遅くないかも」



「ええっ?」



驚くのも無理ないよね、あたしもちょっと強引だと思うから。



だけど2人を知っているあたしだから思うこと、ふたりは結構お似合いなんじゃないかって。



「そうやってちゃんと考えてる紫藤くんって、自分で思ってるより真面目なんだよ。ノリとかやめて、真剣に付き合ってみたらどうかな」



「やー…それはどうかな」



苦笑いをしながら、首を傾げている。



「それでも、あたしに話すぐらいだから気にはなるんだよね」



「うーん…自分でもよくわからなくて。今までそういうの、ちゃんと考えたことがない」



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