【完】恋のおまじないNo.1
チラリとクラスの中を振り返ると、女子の冷たい視線がこっちに向けられている。



やば。



「紫藤なら部活行ったけど」



「えっ!そうなんだ…」



驚いた後ものすごく残念そうな表情をするもんだから、なんだか気の毒に思えて、桃ちゃんを連れてすぐに教室を離れた。



「約束破られた?」



「うっ、ううん。そんなんじゃないの。まだ、信じられなくて…」



「信じられないってなにが」



「ああっ、そうだよね。あの…ね」



きっと、ゆめが言ってたことなんだよな。



「ゆめから聞いて知ってる。紫藤と付き合ってんの?」



「ええええっ!ど、どうしてそれを宇佐美さんが知ってるの!?」



一気に顔が真っ赤になって動揺しまくってる。



「それはー…桃ちゃんのために必死でおまじないしてるからじゃね?」



ここは、ゆめの株を上げておくか。



ゆめなら桃ちゃんの知らないところで実行してそうだしな。



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