【完】恋のおまじないNo.1
なのに…よりによって、一番縁のなさそうな依頼者。



大丈夫か!?



全く疑う余地なし、向かうところ敵なしの笑みで楽しそうにおまじないの本を開いている。



「お前なー。その本、小学生のときから読んでるやつじゃん。内容も更新されてんじゃね?」




「大丈夫なの。あたしが夢でみたのと組み合わせて使ってるから」



ボロっちい本を読みながら、ときたま含み笑い。




そんなので幸せになれて、お前って幸せなヤツだよな。



「ふーん。紫藤、多分今は彼女いない」



「わっ、そうなんだ。ありがと~、カズマ」



気が向いたから、教えただけ。



なのにそんなに喜ばれたら…嬉しくて、もっと教えたくなる。



「サッカー部で、放課後いつも残ってる。部活の後なら時間あるんじゃね?なんなら話つけて、ふたりをあわせてやろーか」



「ううん!まずは、話しかけるきっかけを作るおまじない。そういうのを積み重ねて、最後にハッピーエンドなんだよ?」



「ふーん」



話しかけたいなら、俺が仲裁すれば話早くね?



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